2021-08-19

市中の山居より 第九回

茶の知られざる能力

 今年の吉田山大茶会は9月25日(土)、26日(日)に、京都・吉田神社境内で行われます。今年で12回目になるはずですが、コロナ禍で昨年は中止、今年11回目というわけです。全国のお茶製作者、販売者が、無農薬無肥料の安全なおいしいお茶を中心に持ち寄り、自由に飲み、交流する催しです。実はこの大茶会では、不思議な出来事がしばしば起きる。その2つを記します。

 数年前のこと。吉田神社に、神龍社があります。龍は水の神様で、お茶と深い関係があります。神龍社は、長い階段を上ったところにある小さな社です。ここに私は毎回初日に、岩茶の王「大紅袍」を白磁の蓋碗に入れて献茶しています。2日間の大茶会が終わり、「大紅袍」を下げに市川洋子さんが行ってくれました。彼女は岩茶房の大家さんで、私たちは「ヒメ」と呼んでいます。彼女が何気なく蓋碗の蓋を取った。すると、茶碗は空だった。「浮浪者が飲んだのかしら?」彼女は首を傾げていましたが、それにしてはおかしい。茶碗の中が洗ったようにピカピカだったからです。お茶は緑茶でもウーロン茶でも、茶碗の底に痕跡があります。この話を宮司さんにしましたら、こう言われました。「龍が飲んだんでしょう」

 ある年のことです。大茶会に毎年参加されている美しい韓国茶礼の趙さんが、こんなことを私に話されました。趙さんの知り合いの韓国人に透視能力者がいるそうで、その方が韓国から吉田神社にいる趙さんに電話をかけてきて、言ったそうです。「韓国から見えるのです、京都のある空の空気がとても澄んで美しい。そこだけがきれいなのです。何かされていますか」趙さんが「おいしいお茶を持ち寄って、みんなで自由な茶会をしています」と言いますと「それです。それでそこの空が美しく見えるのです」とその方は納得されたのだそうです。

 お茶には、カフェイン、テアニン、タンニンなど種々の成分があることは誰でも知っていますが、その範囲に収まらない非科学的な力もあるようです。不思議な力、あるいは知られざる能力とでもいえるような摩訶不思議な力が確かにあるようです。そしてそのような茶の力を感知できる人も、確かにいるようです。そういう能力者がいなければ、茶の不思議な力は永遠に分からないことになります。あ、そうか。吉田神社は洛中の空気をきれいにする大切な神社としてのお役目のある重要な神社だということを今思い出しました。

(佐野典代)

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